コラム「暮らしを彩る」


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vol.8 心のケア

核家族化が進み、身近に年長者がいないこともあって、今では和の様式が形ばかりになっているような気がします。

幼いころ、大人たちがてきぱきと正月の決めごとなどを段取りする様子を少しあこがれのまなざしで見ていたような記憶があります。そこでは、高齢者がとても大切にされていました。

高齢化社会に合わせて、各住宅メーカーのモデル住宅も設計上のさまざまな工夫がなされています。床の高さをそろえたり、ドアを引き戸に変えたり、廊下など通路を広くして将来の車椅子での移動に配慮したり…。ハード面での提案はかなり普及しました。

先日、お年寄りのデイサービス施設を訪問する機会がありました。そこで感じたのは、やはり心のケア、精神面でのサービスが一番だとういうことです。
どんなに高価な器材も、人の笑顔があってこそリラックスして使うことができるのです。少しづつではありますが、心理療法士を常駐させている施設も増えているとのことでした。

介護老人保健施設やデイサービスセンター、医療施設などのインテリア提案をさせていただく機会も多いのですが、大切な事は、その時その空間で過ごす方たちがどう感じるか、ということです。カウンセリングルームなど緊張感を伴う室内は特に、心なごむ色や柄あわせ、質感などを大切に選ぶようにしています。それは、目に映る美しいインテリアは、癒しにつながると信じているからです。
一般の病院などをはじめ、色の効果を適切に使った施設も増えてきていますが、まだ少ないようです。人が心を開いてコミュニケーションできるような環境づくりを発信できれば、と願っています。


SOPHIA代表取締役 中田 満美

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