コラム「暮らしを彩る」


COLUMN  コラム

vol.24 ローマの旅

人の個性が十人十色であるように、お国柄もその風土や歴史によってさまざまです。
以前、ずっと訪ねてみたいと思っていたローマに旅行しました。街のいたるところに古代、中世の建造物が立ち並び、まさに歴史博物館といった趣です。そうした背景の中で、あたかも舞台のワンシーンのように日常生活が進んでいるのが印象的でした。そこに暮らす方々と交流し、異なる文化の生活スタイルに触れ、今まで気づかなかった新しい価値を学んだように思います。

中世の時代に、タイムスリップしてしまうかのような貴族のお屋敷の一つ、ドミニチ邸を訪れたのは滞在三日目のことでした。石の重厚な力強い空間には、ただ驚くばかりです。構造の性格上、空間は上へ上へと広がり、はるか高い天井を見上げると、そこはフラスコ画でしょうか。写実的な風景や人物が描きこまれ圧巻です。
この素晴らしいドミニチ家の娘さんから心のこもったティーサービスを受けました。磨きこまれた真ちゅうのフレームに面取りガラスのはめ込まれた美しいワゴンに、手作りケーキを乗せ、もてなしをしてくださったのですが、キッチンは広い廊下の先・・・。ワゴンによるサービスの本当の意味を感じました。
ダイニングルームの壁や調度品には、ドミニチ家固有の意匠である犬の紋章が見受けられ、代々大切に受け継がれてきた歴史の重みを感じさせるに十分でした。 

西洋スタイルのルーツをたどる旅によって、逆に日本の美も再認識することもできました。今後、和と洋のより洗練された形での表現ということが、私たちにとって大きな課題です。そして毎日、新鮮な驚きを失わずにフレッシュな感性をもち続け、生活していきたいものです。
一人ひとりの人生のドラマが生き生きするためにも、その背景となる街やインテリア、生活小物に至るまで、色や形にこだわりを持つことが大切です。そうした夢のあるデザインを手がけることにより、潤いのある暮らしづくりのお手伝いができることを望んでいます。


SOPHIA代表取締役 中田 満美

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