コラム「暮らしを彩る」


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vol.23 1枚の絵を軸に・・・

まぶしい太陽をいっぱいに受けて咲いているヒマワリの花を見ますと、思い出すご夫婦がいます。新しい出会いは、お互いに共通のイメージをたくさん持つことによって、さらに強い印象となるものです。以前、家を建てるにあたって、相談にみえられたH夫妻は、自分達の思いを実現するためには、コーディネート相談を受けることがよいとの友人のアドバイスのもとに、お目にかかることになりました。

相談業務で大切なポイントの一つは、どれだけ共有イメージが持てるかにかかっていると言っても過言ではありません。H夫妻がオフィスにみえて開口一番、「私たちの大切にしている一枚の絵をメーンに飾りたい。その絵が引き立つ空間作りをしてください」とのことでした。絵はムラマサ・クドーの「ヒマワリ」。この会話をきっかけにヒマワリをテーマにどのようにイメージをふくらませていくのか検討を始めました。

内装のクロスは、水まわり以外はベーシックに淡いグリーンを帯びたオフホワイトを基本にしました。流し前のモザイクタイルの色は、ヒマワリの葉っぱのグリーンを基調に、アクセントのイエローをボーダーラインに使用。ヒマワリのイメージをナチュラルカラーのキッチンの前扉とともに色で伝えることにしました。
料理道具がすべて入る収納は、二間ほどの壁面収納を上下二つに分けてそれぞれ4枚の扉にして、シンプルなデザインにしました。その大きく、区分けされた収納スペースの上部には食器類、下部にはミシン、アイロン台と機能的に使いこなしていただいているようです。

シンプルデザインであるだけに、こだわりを持ったのが壁紙とほぼ同色の淡いグリーンの扉です。海外から持ち帰った白地にグリーンの花柄のツマミを扉につけ、H夫婦にふさわしいオリジナルの収納スペースが出来上がったように思います。
H夫妻の思い入れのあった「ヒマワリ」の絵は玄関ホールに飾られ、今も訪れる方たちにいろいろなメッセージを伝えています。


SOPHIA代表取締役 中田 満美

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