コラム「暮らしを彩る」


COLUMN  コラム

vol.20 おもてなしの心

玄関に、ちょっと花をあしらってみる。自分の顔に映りの良いファッションを楽しむ。こういった日ごろの行動は、単に自分のためにではなく、周囲の人とのより良いコミュニケーションをするための心配りといえるでしょう。
これがもう少し公共的な場で表現され、洗練された形となっている行為の一つが、ホテルサービスかもしれません。

このホテルサービスについてある女性雑誌が日本のしにせ旅館と東南アジアのリゾートホテルを比較した特集を、私は興味深く読みました。
目に見えるサービスと精神的なサービス。特に何を目指しているのかといった基本コンセプトが、何をつくるにしても、また、それを継続していく上でも、最も大切なことと読みとることができました。

数年前に2回ほど、家族で夏休みを過ごした米国ミシガン州北端のマキナックアイランドは、まさに島全体がウェルカムサービスであったことを思い起こしています。五大湖のミシガン湖とヒューロン湖の間に浮かぶこの島は、冬はほとんど無人となる夏専用のリゾートです。
船で島に近づいていくと、それはまるでおとぎの島。小高い丘には真っ白いしゃれた別荘が立ち並び、エレガントな外観は何度見ても感激します。

船から下りると、まず、車が一台もないことに驚かされました。移動手段は馬車か自転車なのです。半ばタイムスリップした気分で街を散策すると、売店にはひと昔前の生活グッズが並び、島の資料館は古き良きアメリカの香りにあふれていました。
ここを訪れるのは観光客と、別荘を持っている人々とのことでした。車が無いという不便さを上回る島の魅力にとりつかれた人ばかりなのでしょう。私たちもこの広大なテーマパークの中、馬車で島を一周したり、味わい深いおじいさんペアが生演奏(ピアノ、マンドリン)しているパブをみつけたりと、本当に素晴らしい思い出をつくりました。

今年の夏も、あの島でしか味わえないくつろぎを求め、ミシガンからたくさんの人々が遊びに行くことでしょう。


SOPHIA代表取締役 中田 満美

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