コラム「暮らしを彩る」


COLUMN  コラム

vol.19 季節の色

2008年11月 ニューヨーク セントラルパーク
先週末は山に出かけました。三段峡を過ぎて深入山を通り、芸北の山路と落葉樹の美しさを満喫しました。

この秋の紅葉を見過ごしてしまった方はぜひ、造成されている住宅地を訪れてみてはいかがでしょう。比較的新しい住宅地では人の住む環境づくりに力を入れていますので、家のつくりだけでなく街路や公園などもデザインされ、たくさんの見どころがあります。

この時期ですと幹線道路に植樹された樹木の常緑と落葉樹が色の対比を見せて、落ち着いた中にも華やかさがあります。車を降りて少し散歩をしてみましょう。

広場には美しく色づいたプラタナスの木。モミジの葉を大きくしたような切れ込みのある葉っぱが特徴で、特に秋の葉が少し散りはじめたころは、情緒があっていいものです。
既に17世紀ごろにはロンドンで大量に植えられていたというのですから、街路樹として歴史のある木なのですね。樹皮がまだらにはがれ落ち、跡が白っぽくなるので思い当たる方も多いでしょう。
私がインテリアを提案させていただいていた住宅地では、すり鉢状に整地された広場にプラタナスが効果的に配置されています。その風格と対面して繊細な竹が植えられているのがとても印象的です。

何げなく道を歩いても、玄関先に至るまでの空間をすてきにアレンジしているお宅をしばしば見かけるようになりました。季節ごとに次々と美しい花を咲かせている庭を見ると、つい足を止めてしまうこともあります。
住宅の種類、庭の大小にかかわらず積極的に季節を取り入れて生活に潤いをつくりたいと思います。規模の点では欧米に追いつきませんが、日本人ならではの細やかな感性で非対照な美を庭に表現することもできるでしょう。

落ち葉を拾う手間はかかりますが、この時期の美しい葉を見るたびに、もっと落葉樹が個人の住宅に植えられて楽しめるようになったらと考えるのです。


SOPHIA代表取締役 中田 満美

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