コラム「暮らしを彩る」


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vol.18 自分のこだわり

西洋は石の文化、日本は木の文化とはよく使われる言葉です。モンスーン地帯ならではの日本の工芸「漆」は、この風土だからこそ生まれる自然環境の産物ということでしょう。

 リビングに漆の箱だんすがあったり、朝鮮王朝の時代のシックな家具が置かれたりすると、そこに住む人のセンスが感じられ、うれしくなることがあります。収納家具を何々用と決められたまま使うのではなく、時には食器用あるいは洋服だんす、またある時は引き出しの一段を花入れにするなどさまざまなアイデアで意外な使い方があります。

インテリアにはこのように雰囲気も大切である一方、一つチェックしておきたいのが機能の面です。既製の家具を個人の感性でアレンジすることと同じように、自分のこだわりで家具をオーダー、作る楽しさを知っていただきたいと思います。









テーブルや椅子など、一般に脚ものと呼ばれる家具を特注するのは確かに勇気のいることです。四方から人の目につくものですから、仕上る面積の割合も大きく、どうしても値が高くなってしまうことも原因の一つ。
その点、収納家具は、建物に納めることが多く、こだわりは内部の機能と扉のデザイン性の二点に絞られます。それゆえ、どのような家具をつくりたいのかというイメージが、比較的つかみやすいのではないでしょうか。オーダーを失敗しないコツとしては、物の大きさを伝える時は数字で、イメージの場合は形容詞に頼るだけでなく写真などを見せるのも良いでしょう。

同じ素材であっても最後の塗装など、フィニッシュの仕方で値段は変わってきます。あらかじめサンプルなどで確かめることが必要です。特に着色の場合は、下地の木によって仕上げが変わってきます。ナラの木の塗装サンプルで検討しておきましょう。

 オーダー家具は長く使うことを前提に作られるものです。四季の変化による光の移ろいなども眺めながら、どんな形や機能がいるのか、気持ちにしっくりくるまでイメージを育てることが必要になってくるでしょう。じっくりと自分のこだわりを見つけてください。この写真のリビングボードは、狭さの解消のために鏡を張り、リゾートの雰囲気を出すよう籐(とう)のダイニングセットに合わせて全体をボーンホワイト、引き出しをペパーミントグリーンに塗装し、さわやかで楽しいオリジナル家具としています。


SOPHIA代表取締役 中田 満美

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