コラム「暮らしを彩る」


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vol.10 白いカーテン


マーガレットの花が咲く頃になると、思い出すモデルハウスがあります。外壁はこんがりとほどよく焼けたトーストのような色で内装は自然の木の色を基に、ドアと床はナチュラル色、壁はソフトベージュです。

ともすれば軽快で明るくカジュアルな感じが一般的なこの家を、ナチュラル感覚の中に上質でさりげない高級感が演出できれば…と考えました。

そのとき、頭の中にふとわき上がったのが、真珠色の白いカーテンの爽快さと優しさでした。白い色はまず汚れが目立ちやすく、透けて見える質感があります。ドレープ用のカーテンにするのはとても冒険でした。しかし、それがかえって高級イメージをかき立てたようでした。

カーテン地には、通常ケースメントとして使用する、薄くて柔らかなシルクタッチの素材感を生かしました。裏地も透けないように、柔らかいものを選びました。洋服を仕立てるように裏地と表地のすそは留めません。表地、裏地ともポリエステル100%で手洗いできます。ちなみにレース使いのカーテンは麻素材の網のように織ったものです。
昼間はそよ風にしなやかになびき、夜間、カーテンを引いた時には、シルクタッチの上品な光沢が華やかに見えます。この白いカーテンの効果で、リビングルームの品格とさわやかなイメージづくりは大成功。そしてポイントカラーにサーモンピンクの濃淡、アクセントカラーにはグリーン(若草色)を加えたのです。

色を選ぶときの基本は、自分や家族の好みであること、そしてイメージとポリシーを大切にすることです。好きな色があるのに、つい無難な色を選んでしまいがちですが、色のハーモニーとバランスを考えて皆さんの個性を表現してみてください。

自然の木、水、雲。私たちの感性を豊かにはぐくんでくれる自然。そのナイーブさを大切に感じることを常に心にとめて、夢を現実の形にかえてゆく。現実を夢の世界へと広げてみてください。そこにはきっとおしゃれな空間ができることでしょう。


  SOPHIA代表取締役 中田 満美

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